消える血糖記録を残す|Guruko · 第01回 / 全10回

Libre の血糖はどこまで残るのか — 8時間・12時間・90日の3つの期限

執筆 Remosia Co., Ltd 公開 2026-08-01 読了 約7分

この記事の要点

  • 公式アプリ(FreeStyle リブレLink)のホーム画面は直近8時間、LibreLinkUp の共有先は直近12時間しか見せない。
  • 公式アプリのレポートで振り返れるのは最長90日。それより前の血糖はどこにも残っていない。
  • 貯める道具を入れても、貯め始めた日より前は取り込めない。残すと決めた日が、履歴の起点になる。

FreeStyle Libre(フリースタイルリブレ)を使っている方へ向けた記事です。腕にセンサーを貼って、公式アプリで血糖値を見る。その毎日を送っている方が対象で、1型でも2型でも、妊娠中の管理でも変わりません。

センサーを何本も使い続けていると、測った値はそのまま積み上がっていくように感じます。ところが実際には、振り返れる範囲には期限があり、古いものから順に見えなくなっていきます。しかも、消えたことに気づくきっかけがほとんどありません。

たとえば、こんな場面です。

診察で「ここ半年でどう変わりましたか」と聞かれる。半年前に夕食の時間を早めたので、その効果を答えたい。その場でアプリを開き、レポートの期間を長くしていくと、いちばん古い日付が3か月前。それより前は、どこにもない。

センサーは1年以上つけ続けている。毎日測っていたはずのデータが、半分しか残っていない。聞かれるまで、そのことに気づかない。

数か月前の血糖を振り返ろうとして、記録が残っていないことに気づく場面

結論から言うと、Libre のデータには3つの期限があり、公式アプリで振り返れるのは最長90日です。それを超えて残したいなら、自分で受け取って貯める以外に方法がありません。

この記事を読み終えると、自分のデータが今どこまで遡れるかを確認でき、これ以上失うかどうかを自分で選べるようになります。今日やることは1つだけで、アプリを1回開けば終わります。

見えている場所が3つあり、期限も3つある

Libre の血糖は、見る場所によって残っている量が違います。

ホーム画面は8時間、共有先は12時間、レポートは90日、それを超える範囲は自分で貯めるしかないことを示す図

① 今を見る場所 — 過去8時間

公式アプリ(FreeStyle リブレLink)のホーム画面に出るグラフです。アボットの説明では「現在のグルコース値と過去8 時間分の変動を示すグラフなどが表示されます」とされています(FreeStyleリブレLink 使用方法)。ここは「今どうなっているか」を見るための場所です。

② 誰かに見てもらう場所 — 直近12時間

家族や介助者に共有すると、相手は LibreLinkUp というアプリで血糖を見られます。ここで表示されるのは直近12時間ぶんのグラフと、2週間ぶんのスキャン・アラームの履歴です(LibreLinkUp 公式FAQ)。見守りのための窓であって、記録を貯める場所ではありません。

③ 最近の傾向を見る場所 — 最長90日

公式アプリのレポート(日内パターンや日別のログ)です。アボットジャパンの発表では「ユーザーは、アプリ上で最長90日間分のデータをいつでも閲覧可能です」とされています(FreeStyle リブレLink の提供を開始・2021年2月10日)。冒頭の場面で見ていたのはここで、3か月より前が出てこなかったのはこの上限のためです。

3つとも役割が違います。そしてどれも「長く保存すること」を目的にしていません。だから期限があります。故障でも設定ミスでもなく、そういう作りだということです。

今日できること

道具を増やす前に、まず自分の現在地を確かめます。

1. 最古の日付を確認する。 公式アプリのレポートを開き、表示できる期間をいちばん長くして、そこに出るいちばん古い日付を見てください。それがあなたの「今の限界」です。画面の名前や操作はアプリのバージョンで変わるので、日内パターンでも日別のログでも、期間を最大にできる画面なら構いません。

2. 90日で消える前に、月に1回だけ手元へ移す。 レポートを PDF として保存するか、画面のスクリーンショットを撮ります。毎日でなくて構いません。月に1回、1枚でいい。大事なのは枚数ではなく、90日を過ぎる前に手元へ移すことです。

3. 保存先を1か所に決めて、ファイル名に日付を入れる。 カメラロールに混ざると二度と探せません。クラウドドライブでもメモアプリでも、1か所に決めて「2026-07.pdf」のように日付で名前を付けます。

この3つは今日から実行できて、アプリを追加する必要もありません。ただし手作業である以上、月に1回の作業を続けられるかどうかが分かれ目になります。

続けるかどうかで、選ぶものが変わる

ここから先は、自分がどこまで必要かによって分かれます。

  • 直近90日の振り返りで足りる — 公式アプリのレポートで目的を果たせます。何も足す必要はありません。
  • 90日を超えて残したい — 自分で受け取って貯める仕組みが要ります。手作業(月1回の保存)か、自動で貯める道具かの二択です。
  • 任意の日を、連続したグラフで遡りたい — 保存した PDF やスクリーンショットは1枚ずつの静止画なので、「去年の同じ週」をなめらかに見比べる用途には向きません。蓄積型の道具が必要になります。
  • 数値として書き出して、表計算などで扱いたい — CSV などの形式で出せることが条件になります。

2番目以降に当てはまる場合だけ、道具の話になります。

貯め続ける形の道具

上の条件に当てはまるとき、選択肢の1つが、共有の仕組みを使って定期的に血糖を受け取り、端末の中に貯め続けるアプリです。私たちが作っている Guruko は、この形に範囲を絞っています。90日という上限がないので、続けた日数がそのまま履歴の長さになります。

同時に、はっきりした限界があります。貯め始めた日より前のデータは取り込めません。 公式アプリが持っている90日ぶんを、後から移す手段はありません。受け取れるのは、その時点から先の血糖だけです。

つまり、入れた翌日に去年のデータが見られるようにはなりません。残すと決めたなら早く始めるほど手元に残る量が増える、という順序でしかありません。この記事で最初に「最古の日付を確認する」ことを勧めているのは、そこが分岐点だからです。

この方法が向かない場合

90日以内の振り返りで足りるなら、公式アプリのままで十分です。 レポートには日内パターンも含まれていて、直近の傾向を読む目的なら過不足がありません。貯める仕組みを足すのは、その先が必要になったときで間に合います。

アプリを半日に1回も開けないなら、貯める仕組みは十分に働きません。 共有経由で一度に受け取れるのは直近12時間ぶんだけで、それを超えて開かなかった期間は後から埋まらないためです。この点は次の記事で個別に扱います。

そして、この記事も Guruko も、治療の判断には使えません。 Guruko は記録を見るための補助であり、医療機器ではありません。センサーの値と体調が合わないとき、低血糖が疑われるときは、表示されている数値ではなく、公式の機器と医療者の指示に従ってください。目標とする血糖の範囲も人によって違うので、主治医と決めてください。

今日、最古の日付を1つ確認する

最初にやることは、道具を選ぶことでも、過去を全部救い出すことでもありません。

公式アプリのレポートを開いて、いちばん古い日付を確認してください。それで今日は終わりです。

その日付が3か月前なら、あなたのデータはこれから毎日1日分ずつ、後ろから消えていきます。それを知ったうえで「このままでいい」と決めるのも、立派な選択です。

Guruko について

Guruko は、FreeStyle Libre の血糖を LibreLinkUp 経由で受け取り、90日の上限なく端末内に蓄え続ける iPhone / Apple Watch 向けのビューアです。長期の蓄積・グラフ・統計(TIR / GMI / CV / SD)・AGP・時間検索・CSV 書き出しは無料で使えます。

Guruko は医療機器ではありません。本記事は記録の残し方と読み方を扱うもので、治療の判断には使えません。センサーの値と体調が合わないとき、低血糖が疑われるときは、公式の機器と医療者の指示に従ってください。FreeStyle Libre / LibreLinkUp は Abbott Diabetes Care の商標で、Guruko は Abbott の公式製品ではありません。