消える血糖記録を残す|Guruko · 第08回 / 全10回

血糖を長期に残す道具の選び方

執筆 Remosia Co., Ltd 公開 2026-08-01 読了 約5分

この記事の要点

  • 判断は4つの分岐だけ。最初の「90日を超えて残したいか」が「いいえ」なら、新しい道具は要らない。
  • 手段は公式レポート・スクリーンショット/PDF・表計算+書き出し・専用ビューアの4つ。それぞれに弱点がある。
  • 専用ビューアが向くのは「連続したグラフか書き出しが要る」かつ「手元での更新が続かない」場合。

血糖の記録を残そうとして、手作業が追いつかなくなった方へ向けた記事です。

前回までで、受け取り・途切れ防止・保存・記録の粒度・持ち出し・読み方を扱ってきました。どれも道具なしで実行できる方法です。ただ、実行できることと続けられることは別です。

たとえば、こんな場面です。

表計算での記録が、2週間で止まる。

最初の数日はきちんと書き出して貼っていたのに、忙しい週に1回飛ばしたら、その次も飛ばした。気づけば1か月分の空白ができていて、埋める気力がない。

続かないのは自分の意志が弱いせいだ、と思ってしまう。

ただ、意志の問題とは限りません。手を動かす回数を数えてみると、月に1回の書き出しでも年12回、それを何年も続けることになります。

複数の道具が、どれも同じ重さで並んでいる様子

分岐は4つだけです。 そして最初の分岐で「いいえ」なら、新しい道具は要りません。

読み終えると、自分の条件に合う手段を1つ選べます。判断は5分です。

4つの分岐

90日を超えて残したいか、任意の日を連続グラフで遡りたいか、数値として書き出したいか、手元の更新を続けられるか、の順に分かれていく判断図

分岐1: 90日を超えて残したいですか。

いいえなら、ここで終わりです。公式アプリのレポートで足ります。何も足す必要はありません。

はいなら、分岐2へ進みます。公式アプリで見られるのは最長90日ぶんなので、それを超えて残すには自分で貯めるしかありません。

分岐2: 任意の日を、連続したグラフで遡りたいですか。

いいえなら、スクリーンショットや PDF の保存で足ります。月に1枚残しておけば、あとで見返せます。

はいなら、静止画では足りません。「去年の同じ週」をなめらかに見比べるには、データとして貯まっている必要があります。

分岐3: 数値として書き出して、表計算などで扱いたいですか。

はいなら、書き出しの形式(CSV など)に対応した道具が要ります。

いいえなら、アプリの中で見られれば十分ということです。

分岐4: 手元での更新を続けられますか。

はいなら、表計算での管理が最も自由です。列も期間も自分で決められます。

いいえなら(多くの人がここです)、自動で貯まる道具を選ぶことになります。

4つの選択肢

分岐の結果に対応する手段は4つです。

公式アプリのレポート(リブレLink / LibreView)

90日以内の振り返りなら、これが最も確実です。自分で取りに行かなくても記録されていて、日内パターンや範囲内の割合も計算済みで出てきます。追加の費用も手間もかかりません。

弱点は90日という上限だけです。それより前は表示されません。

スクリーンショットや PDF の保存

手軽で、どの環境でも使えます。月に1枚残すだけなら負担もありません。

弱点は、探せないことと、あとで集計できないことです。100枚たまると目的の日を見つけられません。

表計算+書き出し

最も自由です。列を自分で決められ、他のデータと組み合わせることもできます。期間を変えた集計も自在です。

弱点は、更新が止まると価値が下がることです。冒頭の場面のように、2週間で止まることがあります。

専用のビューア

自動で貯まり、期間を変えた集計もできます。手を動かす回数が最も少ない選択肢です。

弱点は、範囲が決まっていることです。作った人が想定した使い方から外れると、融通が利きません。

Guruko が向くのはどこか

分岐の2か3で「はい」に進み、分岐4で「続けられない」に落ちた場合が、私たちが作っている Guruko の想定です。

自動で貯まり、任意の日へ移動でき、CSV で書き出せます。90日の上限はありません。

無料でできること: 長期の蓄積、グラフ、日付やキーワードでの移動、統計(TIR・GMI・CV・SD)、AGP、分析、記録の入力、NovoPen の取込、iCloud 同期、CSV 書き出し。

Guruko Pro(月額200円/年額1,500円)が要ること: ホーム画面とロック画面のウィジェット、Apple Watch アプリとコンプリケーション、ロック画面表示(Live Activity)、Apple ヘルスケアへの書き出し、レポート出力(PDF / CSV)。

この記事で扱ってきた「貯めて、読んで、書き出す」は、すべて無料の範囲に入ります。Pro が要るのは、貯めた値を別の場所(手首・ロック画面・ヘルスケア)で見る機能です。

そして限界も同じです。貯め始めた日より前は取り込めません。 公式アプリが持っている90日ぶんを移す手段はないので、始めた日から先が貯まっていく形になります。

この方法が向かない場合

90日以内の振り返りで足りるなら、公式アプリのレポートで十分です。 これはこの記事で最も伝えたい非適合条件です。追加のアプリを入れる理由がありません。

アプリを半日に1回も開けないなら、貯める仕組みは働きません。 受け取れるのは直近12時間ぶんなので、開かない期間は穴になります。この場合も公式アプリのほうが確実です。

複数を併用しても構いません。 普段は公式アプリ、月に1回だけ書き出して表計算、という形も成り立ちます。どれか1つに決める必要はありません。

どの道具を選んでも、治療の判断は変わりません。 記録は相談の材料であって、判断そのものは医療者と一緒に決めるものです。

今日、分岐に答える

道具を選ぶ前に、4つの質問に答えてください。

90日を超えて残したいか。任意の日を連続したグラフで遡りたいか。数値として書き出したいか。手元での更新を続けられるか。

最初の質問が「いいえ」なら、今日やることはありません。それも立派な結論です。

Guruko について

Guruko は、FreeStyle Libre の血糖を LibreLinkUp 経由で受け取り、90日の上限なく端末内に蓄え続ける iPhone / Apple Watch 向けのビューアです。長期の蓄積・グラフ・統計(TIR / GMI / CV / SD)・AGP・時間検索・CSV 書き出しは無料で使えます。

Guruko は医療機器ではありません。本記事は記録の残し方と読み方を扱うもので、治療の判断には使えません。センサーの値と体調が合わないとき、低血糖が疑われるときは、公式の機器と医療者の指示に従ってください。FreeStyle Libre / LibreLinkUp は Abbott Diabetes Care の商標で、Guruko は Abbott の公式製品ではありません。