消える血糖記録を残す|Guruko · 第04回 / 全10回
手元に長期の血糖記録を作る — 保存先・列設計・命名
この記事の要点
- 手元に残すとは、日付順に並び、数値が文字として入り、置き場所を自分が即答できる形に移すこと。
- 列は日時・値・単位・出来事の4つに絞る。増やすほど埋めるのが億劫になり続かない。
- CSV で書き出せるのは血糖の値だけ。4列目の「出来事」は、どの道具を使っても自分で書く。
血糖の記録を、あとから自分で取り出せる形にしておきたい方へ向けた記事です。専用のアプリを使っていなくても実行できます。
前回は、12時間を超えて取りに行かないと記録に穴があくことと、その防ぎ方を扱いました。ただ、途切れずに貯まっていても、それはアプリの中にあるだけです。そのことに気づくのは、たいてい取り出そうとしたときです。
たとえば、こんな場面です。
受診の前の晩に、この3か月を振り返ろうとする。
カメラロールを遡ると、血糖のスクリーンショットが何枚か出てくる。ただ、いつ撮ったものかは写真の日付を見ないと分からない。順番もばらばらで、間に犬の写真が挟まっている。手帳のほうは、最初の2週間だけ数字が並んで、あとは白紙。
結局その日は「まあ、だいたい変わりません」と答えることになる。

列を4つ決めて、書き出したデータを貼るだけでいいというのが、この記事の結論です。最初から全部を埋めようとしないのが続けるコツです。
読み終えると、1週間ぶんの記録が手元にでき、その形をそのまま続けられるようになります。今日の作業は15分ほどです。
アプリの中にあることと、手元にあることは違う
アプリは「見る」ための道具です。開けば今の値も過去のグラフも出てきます。ただ、そこにあるデータは、必要なときに取り出せる形にはなっていません。
スクリーンショットも同じです。撮った瞬間は記録のつもりでも、100枚たまると探せなくなります。日付順に並んでいても、「3月の中ごろ」を見つけるには1枚ずつ確認するしかありません。
手元に残すとは、あとで探せる形に移すことです。 具体的には、日付で並んでいて、数値が文字として入っていて、どこにあるか自分が覚えている状態を指します。表計算が向いているのは、この3つを同時に満たせるからです。
4つの列を決める

必要な列は4つです。
日時 … 「2026-07-14 08:15」のように、年月日と時刻を1つの列に入れます。年から書くのは、並べ替えたときに正しい順になるからです。
値 … 血糖の数値だけを入れます。単位は書きません。数字だけにしておくと、あとで平均や最大値を計算できます。
単位 … mg/dL と入れておきます。毎行同じですが、他の人に見せるときや、数年後に自分で見返すときに効きます。
出来事 … 食事、運動、体調、薬の変更など、値の背景にあったことを短く書きます。空欄でも構いません。ここが後で効いてきます。
列を増やしたくなりますが、最初は4つに抑えてください。増やすほど埋めるのが億劫になり、続かなくなります。
保存先を1か所に決めて、名前を日付にする
保存先は1か所です。 クラウドドライブでも、パソコンのフォルダでも構いません。大事なのは「血糖の記録はここにある」と自分が即答できることです。2か所に分かれた時点で、どちらが最新か分からなくなります。
ファイル名には日付を入れます。 「guruko-2026-07.csv」のように、年月を名前に含めてください。「血糖記録.csv」「血糖記録(最新).csv」「血糖記録2.csv」と増えていくと、1年後に見分けがつきません。
月に1回、同じ作業を繰り返します。 毎日やる必要はありません。月末か、受診の前でいいので、その月ぶんを書き出して保存する。それだけです。
手作業を続けるか、道具に任せるか
ここまでの方法は、アプリを使わなくても実行できます。分かれ目は、更新が続くかどうかです。
- 月に1回の書き出しが続きそうなら、この形のままで十分です。道具を増やす必要はありません。
- 受診の前だけ振り返れればいいなら、スクリーンショット1枚でも足ります。
- 書き出す元のデータが手元にないなら、まずそこを解決する必要があります。公式アプリのレポートは90日で流れていくので、それより前を残したいなら貯める仕組みが要ります。
3つ目に当てはまる場合、選択肢の1つが、血糖を端末内に貯め続けて、まとめて書き出せるアプリです。私たちが作っている Guruko には CSV の書き出しがあり、貯めたぶんを1つのファイルとして取り出せます。
ただし、はっきりした限界があります。書き出せるのは血糖の値だけです。 食事やインスリンの記録は、アプリの中では血糖と一緒に見られますが、書き出したファイルには含まれません。
つまり、4列目の「出来事」は、どちらにしても自分で書くことになります。この記事で列を4つと決めたのは、そのためです。値は機械が、文脈は自分が埋める、という分担になります。
この方法が向かない場合
月に1〜2回、直近を確認するだけなら、表計算は大げさです。 スクリーンショットを1枚撮って、受診のときに見せるだけで足ります。
完璧に記録しようとすると続きません。 空欄があっていいし、抜けた月があってもいい。1週間ぶんだけでも、無いよりずっと役に立ちます。
この記事は記録の作り方だけを扱っています。 数値をどう解釈するか、治療をどうするかの判断は、医療者によるものです。記録は、その相談を具体的にするための材料にすぎません。
今日、1週間ぶんだけ列を作る
3か月ぶんを埋めようとしないでください。
表計算を開いて、4つの列を作り、直近1週間ぶんを入れてみてください。それで今日は終わりです。
1週間ぶんが入れば、その形で続けられるかどうかが分かります。続かなさそうなら、列を減らすか、書き出しを自動化する道具を探すか、どちらかを選べばいい。判断の材料が手に入ります。
Guruko について
Guruko は、FreeStyle Libre の血糖を LibreLinkUp 経由で受け取り、90日の上限なく端末内に蓄え続ける iPhone / Apple Watch 向けのビューアです。長期の蓄積・グラフ・統計(TIR / GMI / CV / SD)・AGP・時間検索・CSV 書き出しは無料で使えます。
Guruko は医療機器ではありません。本記事は記録の残し方と読み方を扱うもので、治療の判断には使えません。センサーの値と体調が合わないとき、低血糖が疑われるときは、公式の機器と医療者の指示に従ってください。FreeStyle Libre / LibreLinkUp は Abbott Diabetes Care の商標で、Guruko は Abbott の公式製品ではありません。